こんにちは。HRBrain開発チームの柳川(yue)です。
この記事は、HRBrain Advent Calendar 14日目の記事となります。
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この記事では、HRBrainの開発チームで運用している HRBrain流ドラッカー風エクササイズ をご紹介します。
ドラッカー風エクササイズとは
ドラッカー風エクササイズは、書籍「アジャイルサムライ」で紹介されているチームビルディングの手法です。
以下の4つの質問の回答をチームメンバーと共有し合うことで、相互理解の促進や期待値の擦り合わせといった効果が見込まれます。
- 自分が得意なことは何か
- 自分はどういう風に仕事をするのか
- 自分が大切に思う価値は何か
- メンバーは自分に、どのように貢献することを期待していると思うか
こちらに詳しく説明がありますので、興味のある方はどうぞ。
The Drucker Exercise | The Agile Warrior
やってみようと思ったきっかけ
前職でのトライ
前職で10名程の開発チームに属していたのですが、以下のような課題を解決する方法は何かないかな〜と模索していました。
- チーム内の心理的安全性を高める
- チームメンバー同士の期待値を擦り合わせる
- チーム横断でのコミュニケーションを円滑にする
そんな中で「ドラッカー風エクササイズ」のワークをチーム内で実施してみたところ、チーム内で期待値の調整がうまくいくようになり、心理的安全性も少しずつ高まっていくような効果を感じることができました。
また、「ドラッカー風エクササイズ」の内容をオフィスの壁に貼り出し、チーム外にも公開してみたのですが、そうすることによって他チームに対してのチーム紹介的な役割を果たしてくれました。壁の近くには付箋とペンを設置し、他チームのメンバーにも自由にコメントをもらう形で参加してもらうことで、チーム横断でのコミュニケーションを円滑にすることへの第一歩としての効果も生むことができました。
そして今につながる
私が前職で抱いていたような課題感というのは、多かれ少なかれどの組織・チームにも存在するのではないかと思います。
特にチームの創成期などは、こういった課題は顕著です。
弊社に入社後、必要性を感じたタイミングで何度か折を見て「ドラッカー風エクササイズ」を実施し、メンバー間の相互理解といった意味で一定の効果は実感することができました。
そういった中で、このワークの効果をさらに最大化し、チームや組織に価値をもたらすための実験的な試みとして、この10月からドラッカー風エクササイズを毎月継続的に行うことにしました。
さらに、ワークとしてチームで時間を確保し、付箋ないしMiroを使って可視化していたこの取り組みを、弊社サービスHRBrainを使用して実現してみることにしました。
メンバーの成長を促す取り組みとして、カスタマイズ
HRBrainの開発チームは、個人が仕事を通して成長すること、成長に貪欲であることを求めています。そして、メンバーの成長を支援するチームであってほしいと思っています。
そのため、この取り組みが成長を促す仕組みとしても効果を発するように、通常のドラッカー風エクササイズの質問をカスタマイズしました。
自分自身について答える質問
<期初>
- 私の強み
<期中/1ヶ月ごと>
- 1ヶ月で成長したポイント
<期末>
- 今期新しく獲得した強み
メンバーについて答える質問
<毎月>
- メンバーの1ヶ月で成長したポイント
- メンバーに今後期待すること
- 自由にメッセージ
メンバーが自分自身に関して答える質問の内容は自身の成長についての項目だけと、とてもシンプルにしています。その代わり、メンバーからのフィードバックの比重を重くしています。
メンバーからのフィードバックの比重を重くしているのは、メンバーの成長を支援してほしいという思いに加え、一緒に働くメンバーに関心を持つこと、相手に自分の思いを伝えるというスキルを身につけることも期待してのことです。
自身の成長を客観的に正確に認識できる人はそう多くはありません。自分以外の人から自身の成長ポイントを伝えられることで、客観的に自分の成長を捉えて、さらなる飛躍につなげてほしいという思いがあります。
このワークで期待できる効果
- メンバーに関心を持つ
- メンバーの成長を支援する
- 期待値を擦り合わせる
- 自身の成長を客観的に捉える
- 相手に思いを伝えるスキルの向上
- 心理的安全性の向上
チームメンバーになってはじめのうちは、相手の成長ポイントが分からなかったり、成長を自分が伝えるなんておこがましい...と遠慮してしまうようなパターンも見受けられるため、「自由にメッセージ」という欄も設け、受け皿を広げることで記入へのハードルを下げるようにしています。
自社サービスHRBrainを使って実現してみる
今年の10月からは、この取り組みを自社サービスHRBrainを使って、実験的に運用してみることにしました。
構造としては、いちメンバーが自身の成長を毎月記載していくシートが1枚存在し、その内容に対して、毎月チームメンバーたちがそのメンバーの成長ポイントと今後期待することを、「評価者」という形でそのシートに記入していきます。
実際に、管理者としてシートを作成する際の進め方を説明していきます。
シートの作成/編集
- テンプレート「ヒアリングシート>1on1シート」を使用
- 見出しの記入
- No.を追加し、月ごとの記入欄として設定
- 評価コメントのプリセットを設定
ひも付けグループ選択(コメントし合うメンバーの設定)
いちメンバーに対して、チームメンバー全員を評価者として設定していきます。
(私のチームでは、開発組織という大枠でこの取り組みをしているため、1人に対して40名ほどが評価者としてひも付けられています。)
シートの詳細設定
以下の設定をすることにより、被評価者にも評価者にもオープンなシートとなります。
- 操作期限「しない」
- フィードバック表示「表示する」>全評価者にチェック
- 評価者同士と管理者の評価内容の表示「見せる」>「他の評価者のフィードバックをすべて見せる」にチェック
- 匿名設定「匿名にしない」
シートの配布
配布対象のメンバーを設定します。
運用の仕方と課題
メンバーを集めて記入の時間を取るというワーク方式ではないため、記入への腰が重いというのが実感としての課題です。
そのため現状では、チームごとに月1回記載内容を口頭で伝え合う時間を設け、そこまでには絶対記載してね〜!という運用にしています。
「このワークの時間を設けなくても記載できます!」と言ってくれたチームは、口頭共有のワークをなくしたりもしていますが、実感としては、月に1度人にフォーカスしてお互いについて思うことを伝え合う時間は、とても有意義な時間だと感じています。
こちらの写真は、月1回のワークのオンライン開催時にメンバーがスクショしてくれたもの。和気あいあいとした空気でお互いへの思いを伝え合っています。
また、課題という観点で言うと、ビジュアライズにも課題があります。
HRBrainのシートだと、全メンバーのフィードバック内容を一度に見ることができません。
口頭共有のワークをしたり、他チームの内容を見たいと思った時に、少し面倒なのです。
現状は、メンバーが記載した内容を私がmiroを使って以下のような形にビジュアライズしています。
個人的に、付箋を使ってカラフルにするとワクワクするのでmiroを使っています。しかしまだ見づらいので、改良中です。
いつかHRBrainでワクワクするようなビジュアライズが簡単にできるといいな...!
最後に
こんな感じでいろんな取り組みを実験的に行いながら、価値を生み出す組織づくりをしています。
これを読んでいるあなたも、是非HRBrainで一緒に働いてみませんか?
入社するとチームメンバーからあなたの成長にフォーカスした様々なメッセージがもらえますよ〜!
それでは少し早いですが、メリークリスマス!